
西田の朋友へ
「粗食を尊ぶ」などとカミさんに言うと、「その粗食の素材が一番高い」との迷回答。確かに、無農薬や低農薬の食物やワインは思いの外値が張っている。
飽食、豪華絢爛なる贅沢をしているつもりはないが、日々食の近代化というか、いつの間にか己の肉体を超えたカロリーを摂取し続けている現状も否めない。
そういう訳でもないが、上巳(じょうし)の節句の今日、東京マイコーポ主催の東洋栄養学『天の配剤』なる講義とそれに基づく春の食事会に行ってきました。
この手の話は、中国三千年の易経の意味合いが混じりどうにも馴染めないものであるが、食事会付きというバイオレット色の魔法のスプレーをかけられたのか、ノコノコ出かけたのでした。
① 「今の時代は肝臓が疲れる時代です。それは、肝臓の役割が解毒作用をつかさどるからです。汚れた空気にさらされ、飽食を処理し続け、ストレスという負担に耐えるというトリプルパンチの日々です。」
② 「夏に胡瓜やスイカができるのは、沖縄にゴーヤがあるのは意味のあることなんです。まさに『天の配剤』というもので、旬なる食べ物はその役割を担った栄養を運んでくるのです。ゴーヤの苦味には熱を冷ます作用があります。体に疾病がある場合は特定の栄養素を多く摂ることも必要ですが、風土に合わせ旬の食材を適宜にとることが調和のある体を作ることになります。」
③ 「最近は品種改良で、ホウレン草も生で食べれたり灰汁抜きしなくて済む根っこが赤くない緑の物も出てますが、これはおかしなもので、その分栄養の無いものになっています。これは大きな問題です。・・・日本は世界一水が美味しい国です。外国は、地下層にカルシウムが多いのでミネラルウォターが必要なんです。日本に無いのはカルシウムぐらい ですが、その分、日本人は昔から海草や小魚を食べてきました。」
④ 「伝統食は先人の知恵の集積で、筍に山椒、らっきょうの酢漬け、スイカに塩、蕗味噌、インドカレーにヨーグルト、お汁粉に塩昆布、刺身に山葵というのは、脇役が実にいい仕事をするということなんです。五味五性を合わせるのが原則で、過ぎたる栄養分というのは害になるのですが、脇役はそれを調和させるというが素晴らしい働きをするのです。ちょっとの脇役が主役を最大限に活かす訳です。」
(以上講師 武 鈴子さん 東京薬膳研究所代表)
講演後、メルパルク料理長 依田毛佐則さんの料理を食べながら、依田さんが薬膳の料理方法を、武さんが出された一品の素材について興味深いエピソードを加えながら熱心に説明するといった、お腹も薬膳知識も一杯になったといったものでした。
東洋哲学とか薬膳などと言われると?マークになりがちですが、旬な食べ物をバランスよくおいしく食べることが無病息災ボケ防止になるなら、また、「おばあちゃんの知恵袋」といった温かさで聞けば素直に聞ける、春近い一日でした。
☆・・・ 太平
テーマ:健康管理 - ジャンル:ヘルス・ダイエット
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